ミノリの盤上遊戯録

ボードゲームあそびます。

【ふるよに】書棹についてのサマリー

▲メグミちゃん。比較的登場が後期なのもあって一番研究が進んでない気がする

 

〇交流祭、お疲れさまでした。

4月29日の岡山お気楽交流祭併催大会に書棹剣で参加しました。初めての完全戦大会で結果は3戦1勝2敗、フリプ含め5戦3勝という結果でした[1]。大会後はフリプで第七拡張入りのゲームを観戦させて頂いたり(ゲムマ不参加民)、参加者のみなさんと最近発売された『ゴジラ』をプレイしたり[2]、充実した1日でした。大会も満員御礼、主宰者及び参加者のみなさま、ご参加同卓ありがとうございました。

 

さて、今回構築した書棹剣、わりと面剣、扇剣のガンメタとして機能しておりそこそこ楽しかったのですが、剣のシーズン7-2更新により私の構築はおおよそ陳腐化するだろうと思われますので、正直公開してもあんまり意味がありません。まあしかし書棹は強力なデッキながらあまり攻略記事が書かれていませんし[3]、メグミを研究する記事自体がそもそも少ないので、もしかしたら需要があるかもしれないと思い、僕の書棹研究について記録を残しておきたいと思います。

 

1書棹の強み・弱み

(1)強み

〇戦略のバリエーションが多彩でどれも強力

 書棹のゲームプランとしては①森羅判証②掌ビート③UFO③結末の果実という4つのプランがあります。そして書棹はそのどれもが実用的なレベルに達しているという多彩な戦略を使い分けられるメガミであります。それこそが書棹の第一の強みです。

その中でも「森羅判証」のダスト不足をメグミの種結晶で補えるため、設置が安定しやすく、メグミの付与自体が納1~0がほとんどのため爆速のバーンを飛ばせます。「瀧河希の掌」もシンラのサポートが優秀で、メグミのライフ2点を通す戦略が強力ですし、UFO構築では「葦」「野茨」から「詭弁」につなげることで2距離組(古刀・嵐とか)を押さえつけて勝つこともできます。「結末の果実」も反論立論から軽減がない相手に確定でブチ当てることができるのでサブプランとして便利な戦略です。

 

〇そこそこ速い・安定・高打点のリーサル

 書棹の強みを一言で表すならば「判証が高くて速い」です。書棹は中速・クロックデッキに対して制圧的な性能を持ちます。

だいたいの森羅判証デッキにおいては詭弁は2回必要ですが、書棹においては攻撃は詭弁と立論1回でおよそ足りており、森羅判証から6~7点飛ばすことでおおよそ足りるようになっています。また、メグミの種結晶を予備のダストとして準備できるため、攻撃しなくてよい分は壮語や鳳仙花をぽいぽいしておくことで、森羅判証からダストが枯れて死ぬという事態がおおよそ起きなくなっています。そのため相手の前進に協力する必要もないのです。遠距離からシンラさまの偉いお言葉でも浴びせておきましょう。

 

(2)弱み

〇切札打点に対する脆弱性

 書棹は切り札打点への有力なレスポンスを持ちません。

 およそシンラに由来する弱点ですが、メグミも防御力が優れているとはいえず、切り札に対する大打点に対抗する手段はほぼありません。せいぜい、打たれそうなタイミングで種結晶を展開して可能性の枝と棹穿ちを構えるくらいであり、お世辞にも防御が強いメガミとはいえません。致命的な打点を取られないよう、反論、引用や鬼謀壮語をちらつかせることで通常札にしっかり圧力をかける必要があります。

ただ、掌ビートの場合は可能性の枝と棹穿ちが化けるのでなんとかなることもあります。

 

〇アグロ戦略に対する脆弱性

 書棹はアグロ戦略に対して構造上の脆弱性を持ちます。

 書棹はゲーム全体を通しておよそ8~10のフレアを要求します。これだけでは普通のメガミと変わりませんが、問題なのは「瀧河希の掌」「森羅判証」「結末の果実」のいずれも、使用後2~3ターン生存する必要があるという点です。フレア消費では大したことがなくてもフレアの要求スピードはけっこう速いわけです。加えて、先述した通り書棹は硬いデッキではありません。そのため、アグロ戦略に対しては、フレアが間に合わず、無理やり展開してもこちらが殺す前に殺しきられるという事態が起こり得ます。

 

2 書棹の戦略構築

(1)森羅判証

【通常札】反論 棹穿ち 詭弁 引用 葦 鳳仙花 壮語 

【切り札】森羅判証 皆式理解 瀧河希の掌

※赤字は自由枠

 書棹における最強構築です。およそこれが通るなら判証で6~7点飛ばせるので問題ありません。ダメージプランは詭弁1点、再構成2点、判証7点です。行動の方を詳しく解説しておきます。

①デッキ1巡目

 先行なら2T詭弁、後攻なら種結晶を稼ぎつつ反論で再構成を促し、4Tの詭弁を狙います。1ターン目はとりあえず葦か鳳仙花を納1で投げておいてよいと思います。とりあえず詭弁で1点とれればそれで充分です。そして反論で取れたオーラと種結晶1で壮語を展開し、神算効果を連打します。これは①こちらの再構成を遅延することで疑似的にライフ1/3~1/2点をゲインし、②鬼謀壮語と棹穿ちの圧力で相手の攻撃をけん制し、③安全に種結晶を稼ぎ④湧いてくる集中力で判証のフレアを稼いでおくという意味があります。基本的に神算置き続けでも問題ありませんが、私は1/3くらいの確率(攻められそうな時)に鬼謀をポン置きします。

 壮語がボトムに沈むと泣けるので、いちおう偶数再構成を意識しましょう(まあ、無くてもなんとかなったりするんですが)。

②デッキ2巡目

 暇なら詭弁を当てに行っても結構ですが、森羅判証のための準備を進めます。理想手札は「葦+鳳仙花+壮語」です。最低限、壮語と別の付与を1枚持てるようにしておきましょう。できるだけ早く、6~7フレアを構えます。ダストが少しあると楽なので、立論反論で飛ばすなり、引用で赤札パクるなりして湧かせておきましょう。

③リーサル

森羅判証を展開。「壮語*3+葦+鳳仙花+掌*2」で7点取りにいきます。掌の皆式理解は、最後まで開けなくてもよいと思います。5フレアで即時2点のバーンができるので相手にフレアと切り札情報を与えないため保持しておきましょう。また、鳳仙花は納1で展開して割られないように。

 

(2)掌ビートダウン

【通常札】立論 反論 棹穿ち 殻打ち 詭弁 打擲 鳳仙花 

【切り札】瀧河希の掌 可能性の枝 皆式理解

※赤字は自由枠

「瀧河希の掌」を軸として、大火力を出し続けることで相手を削り切るプランです。正直判証の方が強いですが、掌は始動のフレアが少なく、また皆式理解から再展開も可能なため森羅判証だと問題がある場合に採用する価値はある強度です。またダストが湧きやすく、フレア要求量が少ないので論破+完全論破セットを採用しやすいのは大きなメリットです。壮語を採用して判証偽装ビートとかもできると思います。また殻打ちから納3壮語を展開すれば相手の通常札対応をけん制できます。

 

(3)UFO

【通常札】詭弁 野茨 立論 棹穿ち 打擲 葦 鳳仙花

【切り札】皆式理解 可能性の枝 因果律の根

※赤字は自由枠

UFOデッキ。シーズン4にへくとぱ氏によって発明されたUFO傘書に端を発する[4]、中空(3―4間合い)を維持するデッキの総称です。野茨で相手の前進を阻害しつつ、詭弁を複数回当てることで勝ちます。相手に再構成を促すダンスを踊りましょう。葦による前進拒否能力が高く、神算皆式による野茨のロックはそこそこ持続するため、遠距離レンジロックへの耐性に乏しいメガミにはよく機能します。

 

(4)結末の果実

【通常札】反論 打擲 詭弁 棹穿ち 壮語 鳳仙花 葦

【切り札】結末の果実 皆式理解 森羅判証

※赤字は自由枠

結末の果実で5ライフを取るデッキです。残り5点は打擲なり詭弁なり森羅判証なり天地反駁なり皆式理解による結末の果実の再使用で取ります。基本的に確定枠の構造が森羅判証と同じですし、森羅判証でええやんとは思います。まあでもロマンは大事。まあ、シーズン7―2で剣がナーフされるので、早期にライフを削る手段として採用するのは一考の価値があるかもしれません。(知らんけど。

Footnotes

[1] 1回戦:(書)剣棹―(剣)扇面。終幕の裏位置取りは野茨で止め、暁でしばき倒すプランだったが普通に1点足りずに負けた。ハカミチを突っ込んでたがここは可能性の枝で足りてた。

「みのりちゃんの完全戦はハツミを信じないことから始まったわけだが…しかし、ふるよに界も変わった。今のミコトたちなら俺の決闘の味をわかってくれたかもしれない…しかし、俺はどうしてハカミチなんて入れてしまったんだろうな?」(ふるよに発見伝)

2回戦:(書)剣棹―(傘)花橇。前回(3月)の刀爪の人。あ、ウパにカタシロ合わせてハカミチから掌でしばき倒せば勝つやんと思ってた。実際そうだったが疲れからか黒塗りの3鏡映咢に激突してしまう。責任として4ライフ取られえらくあっさり死ぬ。花は弱いはずでは?と思ったらよくよく考えたらこいつら橇鏡じゃねえか。

3回戦:(剣)書棹―(鏡)毒嵐。いつも僕を大会まで連れてってくれる優しい友人。おおよそ手の内を知られてる同士で、書棹が返ってくる。葦でライラから逃げつつ詭弁とか引用暴風とか鬼謀壮語ブチ当てて判証で蓋して勝ち。なんか反論の焦燥ダメがライフに2回通った。二人して首を傾げた。

[2] 同シリーズの『ボルカルス』っぽい作品ですがかなりサクサク進むゲームで、ぜひとも布教していきたいなと思います。今回のゲームでは6ラウンド終了時に避難民が全員避難を完了したので、「みんなで定時退社や」と言って喜んでました(※人間サイドは県知事&都知事の設定)。3回ほど人間サイドの避難民のリスポーンがゴジラの位置と一致し、リスキルで死にまくってて爆笑しました。コラテラルコラテラル(※初見プレイ特有のルールミス)。ゲームは1点差で人間が勝利と、白熱した試合展開でした。

[3] とりあえず、へくとぱ氏の「書棹フルーツボムRTA」を観た方がいいよ。すげー面白くて役に立つから。

[4] [要出典]。少なくとも私の知ってる一番古いUFOデッキはこれ。間違ってたり、オリジナルの提唱者がいたら申し訳ない。