ミノリの盤上遊戯録

ボードゲームあそびます。

【ふるよに】(実践編・前編)『桜降る代に決闘を』インスト【ボドゲ/インスト】

 

序:実践編のインストラクション

さて、桜降る代に初めていらした方は初めまして。入門編インストを読んでくれた方はまたこんにちは。ミコトのミノリと申します。

 

今回は『実践編』と題打ち、「ある程度決闘のやり方は分かったからなんとしても勝ちたい!」という方向けに、最初に知っておくと便利な知見を体系化して紹介する目的で記事を書いております。そのため、ある程度ルールについては理解している前提で話しますので、そこが怪しい人はルールブックを添えて読むなり、公式サイトのチュートリアルを見るなりしてから読んでいただけると幸いです。

 

本稿は5章構成で、1章で双晶繚乱のコツ、2章で眼前構築のコツ、3~5章で桜花決闘のコツについて解説します。全体を知りたい方は最初から読んでいただければ嬉しいですし、構築は大丈夫だから決闘の知見が欲しいなら3章から読んでもOKです。「御託はいい!さっさとオレとデュエルしろ!」という方もいますし、実際双晶繚乱と眼前構築はこのゲームの難しいところなので、最初は飛ばしてもいいですよ。桜花決闘の章だけ読みたい人は、STEP③(後編)から読んでください[1]

 

<一緒に、来てくれますか…?

▲ヤツハちゃん。小説『八葉鏡の徒桜』の主人公であり、記憶喪失状態で目覚めた*1鏡から飛び出してくる怪物の力で戦う。クセがある能力だが挙動はけっこう素直で、ゲームに慣れた初心者にもおすすめのメガミ。とてもかわいい

 


STEP①:双晶繚乱編「メガミとの縁を両手に」

 ミコトのみなさんは、桜花決闘を始める前に、どのメガミの力を宿すかを決めなければなりません。しかし、今作はすでに20柱以上のキャラクターがおり、その組み合わせは600を越えます[2]。大変ですね。僕も全てのメガミをプレイしてきましたが、全部の組み合わせを試してきたわけではありません。しかし、そんな中でも、メガミの組み合わせ方にはいくつかコツがあります。

コツ①:間合いが近いメガミ同士を組み合わせると戦いやすい

コツ②:強みが重なったメガミは強力なデッキを組みやすい

コツ③:できることが違うメガミは、どちらを軸にするかを決めると強い

です。

 

コツ①:間合いが近いメガミ同士を組み合わせると戦いやすい

メガミタロットの下には、0~10までの数字が書いてあると思います。これは攻撃カードが使える間合いを表しており、特に一番濃い数字がそのメガミが一番得意な距離であることを表します。(例えば、ユリナは間合い3が一番得意であり、ヒミカは間合い7が一番得意なメガミです[3]

▲メガミタロットには、能力の内容と得意間合いが書かれている。メガミの美脚も堪能できるお得なカード。

 

上からわかるように、メガミの武器によって得意な距離は変わります。ですから、同じ距離で戦うメガミを2柱同時に宿せば、一気に攻撃することができますね!例えばユリナ・オボロなら、間合い3から一気に攻撃することができます。

▲得意間合いが近いと、間合いを動かさなくても攻撃を一気に叩き込める。ゴリラというよりオラオララッシュ。相手は死ぬ。

 

コツ②:強みが重なったメガミは強力なデッキを組みやすい

メガミにはそれぞれ強みがあります。攻撃力に優れたメガミ、防御が得意なメガミ、移動力が高いメガミ、コンボ力が高いメガミ、妨害が得意なメガミなどです。そのため、性格が近いメガミを組み合わせると、特化した戦略が得意になります。たとえばコンボ攻撃とカード強化が得意なヒミカ・ハガネを組み合わせると、とんでもないコンボを造れます。

 

▲バフ効果を載せた5/5の遠心撃。「大天空クラッシュ」だと超克7/7まで伸びる。

 

コツ③:できることが違うメガミは、どちらを軸にするかを決めると強い

 さあ、いままで性格が似たメガミを一緒に宿そうと言ってきたわけですが、強みがぜんぜん違うキャラだと組み合わせても弱いのか?と言われるとそんなことはありません!むしろ、できることが増えたことによって、相手は両方のメガミに対処する必要が生じるのです!それに多くのメガミは相方のサポートカードを持っており、片方のメガミのメインカードともう片方のサポートカードを組み合わせることができます。似た者同士より強力なデッキになることもあるんです!

たとえば、ユリナ・ヒミカは攻撃カードの間合いが違いすぎ、両方の攻撃カードを入れると同時に使えず困ってしまいます。そこで、ヒミカをサポート役に回して、「バックドラフト」「バックステップ」「フルバースト」を使ってユリナの攻撃をサポートしましょう!サポートだけでなく、ユリナの間合いなら「クリムゾンゼロ」を狙うことだってできます。

もちろん、ユリナをサポート役にして「気迫」「気炎万丈」「月影落」でヒミカの火力をサポートするというプレイングも可能です。

バックドラフト+月影落の5/5。クリムゾンゼロでオーラも剥げる。

 

いかがでしょうか?メガミの組み合わせはこのゲームの妙、好きなメガミを生かすためにどんな相方を選ぶか、いろいろ試してみてくださいね。

一応、初心者向けにオススメのメガミを下に書きます。

 

ユリナ:攻撃が優秀。「斬」+「柄打ち」+「一閃」+「月影落」でだいたいの相手は倒せる。遠距離相手は苦手なので注意。

オボロ:「鋼糸」「影菱」が優秀なうえ、設置というゲームシステムが極めて強い。ほぼ全ての近距離メガミに対し互角以上がつくが遠距離対面は脆弱だし切札が微妙。

ヤツハ:鏡映というちょっと面倒なシステムがあるが基本的に3/2通常対応不可を撃ち続けられる高火力メガミ。「六葉鏡の星の海」と「幻影歩法」が初心者フレンドリー。

カムヰ:時間経過で特殊敗北があるもののコントロールデッキ以外の全てに有利が付く。「紅刃」「散華刃」「四剣乱刃」で相手をしばき倒そう。

サイネ:「石突」「八方振り」「律動孤戟」による連撃能力の高さが強み。全体的に弱点が少ないが強いて言うとカードパワー自体はそんな高くない。

ヒミカ:遠距離アグロ最強の一角で、熟練者でもちゃんと受けきるのは難しい。「バックステップ」「バックドラフト」だけ入れても全然強い。

 

 

STEP②:眼前構築編「宿す力を見定めよ」

 さて、このゲームのキモにして最大の初心者つまずきポイント「眼前構築」をやっていきましょう。眼前構築といっても要は22枚から10枚を選ぶだけなのですが、眼前構築の精度は決闘に大きく左右されます。近くに経験者がいる場合は、最初のうちはデッキを作ってもらってもいいかもしれません。ネットにも、デッキを紹介するブログがたくさんあります(もちろん、わたしもそのうちの一つです)。ゲームに慣れるまでは、誰かが作ってくれたデッキを試すのもよい勉強になります。とはいえ、やはり自分自身でデッキを作れるようになると、ゲームの楽しみがぐっと増します[4]

 

それでは、サンプルのユリナ+オボロでデッキを作ってみましょう!この二人でできることは、他のビートダウンメガミのデッキを作る場合にも役に立つはずです[5]。それでは、相手のメガミは、ユリナ+サイネとして考えましょう。

<今日は決闘日和ですね!

<共にゆくお主を歓迎するぞ

▲ユリナ・オボロ。ユリナは刀「斬華一閃」、オボロは忍術を武器として戦う。

 

作り方①全力でない通常攻撃札をとりあえず全部入れる

桜花決闘編で詳しくは解説しますが、このゲームは通常攻撃を連続させると強いのです。なぜなら、オーラを削ればライフに確定ダメージが入り、相手のライフが減るため勝利へと近づくことができるからです。多くのメガミは、2~3枚の通常攻撃札を持ちます。そのため、通常攻撃札を全部入れれば通常札4~5枚は入ります。初心者にありがちな失敗として、行動札と付与札を入れすぎた結果、攻撃札をまとめて引けなくてライフ打点が取れない、というのがあります。しかし、攻撃札を多めに入れておけばそんな失敗はありません。このゲームの最大手札枚数は特別なカードを使わない限り4枚なので、攻撃札は最低でも4枚、山札コントロールが難しい最初のうちは5~6枚をデッキに入れておくとよいでしょう。「迷ったらとりあえず攻撃を積む」、おすすめの原則です。

 

ユリナ・オボロの場合、「斬」「一閃」「柄打ち」「鋼糸」「影菱」が該当します。

▲ユリナ/オボロは攻撃札がきわめて優秀なデッキだ。

 

作り方②エースとなる切り札を入れる

 はい。入門編でやった通り、このゲームは相手より先にライフを0にした方が勝つのですが、当然相手も攻撃してきますし、攻撃を対応で妨害してきます。そのため、相手より先にライフを削るためには、切り札に頼る必要がでてきます。そして、切り札を軸に戦略を組み立てれば、相手を倒すためのプラン[6]が生まれます。しかし、エースとなる切り札はだいたいフレアが4~5以上あり、簡単には打てません。そのため、1枚か2枚、勝ち筋を作るための切り札を投入しましょう。

 

ユリナ・オボロの場合、相手に大ダメージを与える切り札として、「月影落」「天音揺波の底力」「熊介」の3つがあります。この中で、相手のメガミが守りにくそうなものを選びましょう。今回の場合、「月影落」以外の2枚は全力カードで、いつでも使いやすいカードではないですね。相手のユリナ・サイネは「月影落」をステップ対応で避ける手段を持ちません[7]。そのため、しっかりオーラを減らしてから攻撃すれば、ライフ4点を取ることができます。なので、今回は「月影落」を軸にして戦略を組み立てましょう[8]

▲「月影落」。消費フレアは重いがいつでも打てる4/4で、ユリナのエース札。

 

作り方③間合いを調整する

ここまで、攻撃カードが5~7枚決まったかと思います。ここで、それぞれの攻撃カードの間合いが近いかを確認しましょう。原則として、主戦場の間合いから2以上離れると、他のカードでサポートしてやる必要が生じます[9]。「月影落」を軸とする構築は、2と3間合いを主戦場とします。今回はここを外れるカードはありませんから、抜く必要はなさそうですね。もし、距離が離れすぎている場合は、切り札を使うキャラに近いカードを残してカードを減らすか、移動できるカードを投入してあげましょう。

 

作り方④対応カードを入れる

これで攻撃カードと戦略が決まりました。そしたら残りの枠を使って、相手の攻撃を妨害できる対応カードをいれましょう。しかし、決闘中はできるだけ攻撃カードを抱えておきたいので、最初のうちは通常札の対応は1枚か2枚、切り札の対応を1枚入れるようにすると、バランスが良いと思います[10]

今回は、通常札で前にステップ対応できる「誘導」と、オーラダメ―ジを下げてくれる「浦波嵐」を採用してみましょう。

▲「誘導」はなにかと小回りが利く便利なカード。「浦波嵐」もお手軽な切り札対応。

 

作り方⑤デッキを整える

 さて、これで通常札6枚、切り札が2枚決まりました。残りは通常札1枠、切り札1枠です。ここは、あると便利なカードや、相手へのメタカードを投入する枠になります。全力カードを入れてもよいですね。

 まずは通常札。通常札の攻撃は十分あるので、手札を補充するときに撃つ全力カードが欲しいですね。「居合」「気炎万丈」「斬撃乱舞」「分身の術」あたりが候補になりますが、ユリナ・サイネの間合いが3~4になるので、「居合」が一番刺さりそうですね。それでは、今回は「居合」を入れましょう。もちろん、全力に限らず「圧気」や「忍歩」を入れて小回りを利かせるのもいいと思います。

 次に切り札。連撃からの「月影落」を決め手にするので、「壬蔓」はどうでしょうか?いつでも使える1/1攻撃で、かつフレアを増やしてくれます。伏せた通常札を手札代わりに使える「鳶影」や、オーラを補充する「浮舟宿」なんかも使いやすいかもしれませんね。決闘全体で使えるフレアはおよそ10プラスマイナス2個になります。切り札は使えなければ意味がありませんから、フレア消費の合計がおよそ10前後になるように構築してみましょう[11]

▲余ったカードの中で「あると便利そうなカード」を採用しよう。

 

これでデッキは完成、眼前構築のやり方もOKです。お疲れさまでした。

眼前構築の流儀は人によってそれぞれで、またメガミによっては強いプレイヤーが独特の構築を研究して紹介していたりします[12]。競技の環境で完全にテンプレ化されたデッキも存在します。僕の方法はあくまで自分が使う中で失敗が少ない方法の一つであり、ベストプラクティスというわけではありません[13]。決闘を楽しむ中で、試行錯誤してみてください。見えてくるものがあるはずです。

 

さあ、これでデッキは組めました。あとは目の前の相手を倒すだけです!

次回からはいよいよ、決闘を始めましょう!【ふるよに】(実践編・後編)『桜降る代に決闘を』インスト

に続きます。

 

Footnotes

[1] 相変わらず、難しい話やオタク特有の性癖垂れ流しトーク小話は脚注でします。主に筆者がメンドクサイのですっ飛ばして読むの推奨です。また、カードは2022/4現在、シーズン7相当のものを使用して説明しております。

[2] 同じメガミでも、一部のカードが変化した「アナザー版」というキャラクターが存在します。スマブラでいうサムスとダークサムスみたいなもんですね。オリジン版に比べピーキーな性能が多く、取り扱いは難しいですが、使いこなせると独自の戦略ができるので、ゲームに慣れたら遊んでみましょう。

[3] 2―3距離を得意とするメガミは近距離型、4-5間合いを得意とするメガミは中距離型、5間合い以遠を得意とするメガミは遠距離型と表現されます。

[4]副作用として、デッキを組み始めると決闘をしてなくても手持無沙汰な時に脳内でデッキを組み始めるようになります。目の前の作業に集中しましょう(戒め)

[5] クルルなどのビート以外の軸を持つメガミの場合は、ネットの記事を読んで勉強することを強くお勧めします。クルルに関しては僕もあまりいじっているわけではないので、専門家の聞きかじりでデッキを組みます。最近は近未来兵器をぶっぱする方のクルルでよく遊んでます。

[6] ふるよにの初期ライフは10点、およそデッキは3順するため、再構成2回の2ダメージと組み合わせて、デッキ1巡でおよそ2~3点のライフダメージを与えられるデッキなら、攻撃力は十分です。もちろん、攻撃切り札に限らず、「律動孤戟」「びっくごーれむ」のような行動カード、「森羅判証」「瀧河恵の掌」のような付与カードをエースとして持つメガミもいます。

[7] 八相状態の見切りだと避けられますが、それはこちらでケアすることができます。

[8] 「天音揺波の底力」「熊介」は「月影落」が通らない場合のサブプランになります。例えば、サリヤは「月影落」をケアしやすいが「底力」はケアが難しく、ハガネは遠心撃の返しの「熊介」のケアが難しいです。このように、相手のメガミに対して、どの切札が通りそうか考えることができれば、構築の精度は上がってきます。

[9] 距離2とは、「手札を消費せずに1ターンに移動できる距離の限界」であるため、距離を離しすぎると攻撃カードを同時に振ることができず、相手のライフダメ―ジを取ることができなくなります。そのため、基本的にそのようなカードを採用する場合、サポートの移動札を同時に運用するべき、ということになります。

[10] 対応札を大量に入れないことには理由があり、①対応札のカードパワーは弱いこと、②切り札の対応は最悪あるフリができるからです。ある程度上手な人は切り札対応をケアしてから攻撃切り札を使うため、対応札を入れる枠に攻撃切り札を入れることで、こちらのリーサルラインを引き上げることができます(私は久遠の花の枠に千歳の鳥を入れることをシュレーディンガーの久遠と呼んでいます)。俗に「浦波は飾り」理論とも呼ばれます。とはいえ、ケアを切られると負けますし、そもそもケアを知らない初心者同士の対戦なら、対応切り札を多めに入れた方が強かったりします。

[11] もちろん、最悪どっちか使えればいいからと消費が重い切り札を2枚採用する方法もあります。わたしはよくユリナ・トコヨで「月影落」+「久遠の花」を両採用します。

[12] 有名なものとして、東風夜氏の「スーパー古騎」、ガソタム氏の「ガソタム式銃騎」、へくとぱ氏の「笑顔式槌騎」などがあります。なんかサリヤ率高いな。カード更新により陳腐化する研究も多いですが、ガチ勢によるメカニズム紹介は見ておいて損はないです。

[13] わたしの場合、メガミの組み合わせ単位でできる戦略を知っておいてアーキタイプ化し、そのコアパーツを投入したあと相手の戦略をケアするカードを入れることが多いです。つまりは「OK、理論は知ってる、あとはその場のノリ」です。

*1:記憶喪失・一途・優しいと、目の前に居ると間違いなく目が離せなくて世話焼きした結果、お互いがお互いを好きになってしまうタイプだと思う。(←箱入り娘のお嬢様と一緒に逃避行して、世界を知りながら旅の終わりに運命に立ち向かうシチュ大好き)要はメジロアルダンさんすき